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2017年5月16日 (火)

責任を取らない人たちは…

 一昨日、14日に書いた記事を読み返し、昨年の黒石市の写真コンテストの騒動を思い出した。書いた記事は、近隣(いろんな意味で)の者が罪を犯そうとしても、それに関心を向けようとしない今の日本人気質に触れたものだが、私が言いたかったことが端的に表れるのが、いじめで子どもが自殺したときの、周囲の大人、それも学校や教育委員会などの毎度の対応である。
 その、ある意味典型的な事例として、黒石市の写真コンテストの一件を思い出した次第である。

 事例の経過を箇条書きで説明すると、

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・昨年(2016年)の黒石よされ写真コンテストで最高賞(市長賞)に内定したのは、日本三大流し踊りと言われる黒石よされの出場者を青森市の写真愛好家の男性が撮影したものだった。
・その被写体となったのは、青森市内の女子中学生、葛西りまさん。
・しかし、その葛西りまさんが、撮影された10日後に「いじめが辛い」との遺書をスマホに残して自殺していた。
・撮影者は応募に際し、遺族である父親に応募の承諾を求めたところ、「いじめられていてもこんな幸せそうな笑顔を見せる一瞬があった」ことを知ってもらいたいと、応募を快諾。
・しかしコンテストの実行委員会は、りまさんが自殺したことを知ると、最高賞の内定を取り消す。
・りまさんの父親が地元紙に経過と写真を提供、記事として公になると、実行委員会や市長に批判が集中。
・実行委員会は一転、取り消しを撤回して、最高賞の授与を決定。

 というものだった。
 りまさんのためにも、受賞が最終的に決定したのは喜ばしいが、後味の悪さが残ったと、地元紙は伝えていたという。

 コンテストの主催者側は、内定を取り消した段階では、その理由を明らかにしなかったそうだけど、まぁ見え見えだよね。
 「自殺者を被写体にしたものに賞を与えて、あとで問題になるかも」「市民から批判されるんじゃないの」「触れない方が安全だろう」「じゃあ内定を取り消すか」と、まったくの想像ではあるけど、こんな会話が交わされていたのではないか。
 主催者である市の観光協会というのが、お役所なのか外郭団体なのか知らないが、自分が責められて責任を負うことはなんとしても避けたい、という心の有り様は、覆うべくもない。

 これをもって「日本人とは…」と結論づけるのは乱暴かもしれないが、そんな事例ばかり見聞きするので、やはり、この国はどこかおかしくなっていると言いたくなる。

 で、この一件、今回調べてみて、まだ混乱が続いていることを知りました。
 例によって、いじめと自殺の因果関係を、学校も市教委も「あるとは言えない」と説明しているんだって。そしてそれによって、市教委の審議会メンバーを交代させるとかどうとか、議会まで巻き込んでいるそうです。

 いや、本当に、どうしたらこういうのを変えられるんだろうね。無力な一市民でしかないけど、真剣に考えてしまいます。

 ※写真とりまさんの実名は、ご遺族のお気持ちに沿って、ここでも掲載させていただきました。

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